区分所有法・マンション標準管理規約・マンション管理適正化法を中心に、理事会・総会でよく出てくる言葉をやさしく解説します。各用語は「ひとことで → もう少し詳しく → 根拠条文」の順でまとめ、令和7年改正・令和8年4月1日施行の内容を反映しています。
マンションにあるそれぞれの住戸のように、構造上区分され、独立して利用できる部分があるときは、その部分ごとに所有権を持つことができるという、マンション法制の出発点になる考え方です。民法の「一物一権主義」(1つの物の上には同じ内容の物権は1つしか成立せず、物権の客体は1つの独立した物でなければならないという原則)の例外が、区分所有という考え方になります。
根拠条文:区分所有法1条、2条1項
区分所有者は、建物・敷地・附属施設を管理するため、法律上当然に団体を構成します。実務上の「管理組合」の土台になるもので、集会を開き、規約を定め、管理者を置くことができます。ここでいう「法律上当然に」とは、区分所有関係に入れば(区分所有者の意思に関わらず)当然に、区分所有者全員の団体=管理組合の構成員になるという意味合いです。
根拠条文:区分所有法3条
区分所有者には、法律上当然に構成される団体において、建物や敷地、附属施設などの管理が適正かつ円滑に行われるための相互協力義務が課されています。2026年4月施行の改正区分所有法で、この相互協力義務が明文化されました。マンションの老朽化などで管理や再生の重要性が高まる一方、管理に非協力的な区分所有者が増えて適切な管理が阻害されることが社会問題になっていることを受けたものです。
根拠条文:区分所有法5条の2
住戸内部など、区分所有権の目的となる建物部分をいいます。1棟の建物のうち、構造上区分され、独立して住居・店舗・事務所・倉庫その他建物としての用途に供することができる数個の建物の部分が専有部分です。廊下や階段のように当然に共用される部分や、規約で共用部分とされた部分は含まれません。なお、各住戸の玄関扉は、室内側は専有部分ですが外側は共用部分として取り扱われ、玄関扉の鍵シリンダーは専有部分となります。
根拠条文:区分所有法2条3項、4条
廊下、階段、エレベーター、屋上などのほか、専有部分に属しない附属物や、規約で共用部分とした附属建物も含まれます。全員共有が原則ですが、たとえば店舗部分の区分所有者のみが共用する部分などについては、特定の所有者だけが管理する「一部共用部分」という管理方法もあります。
根拠条文:区分所有法2条4項、4条、11条
ベランダ、バルコニー、専用庭、玄関扉の一部などが典型です。構造上や規約等で定めることにより、特定の区分所有者に優先的な使用が認められます。敷地内の契約駐車場のように、管理組合と区分所有者とで使用契約を結ぶことで専用使用権が与えられるケースもあります。昔に分譲されたマンションでは、分譲時に「○○号室には○番の駐車場が付いている」というような、契約の締結を要しない専用使用権付き駐車場もありました。
根拠条文:マンション標準管理規約2条9号、14条
数個の専有部分に通じる廊下、階段室など、構造上、区分所有者全員または一部の共用に供されるべき部分は、区分所有権の目的になりません。これを一般に法定共用部分といいます。建物を外部から見て目に入るもののほとんどが法定共用部分、と覚えておくと分かりやすいです。
根拠条文:区分所有法4条1項
附属の建物や一定の建物部分について、規約で定めることにより共用部分とすることができます。廊下から見ると一見ほかの部屋と相違のない部屋(室内に入ると浴室がなかったりします)を、規約で定めて共用部分とすることができます。マンション内の集会室などが規約共用部分の例で、第三者に対抗するにはその旨を登記することが必要です。
根拠条文:区分所有法4条2項
典型例は賃借人です。占有者にも、共同の利益に反する行為をしてはならないというルールが準用され(建物の使用につき、規約や使用細則の定めに従う必要があります)、利害関係がある事項では集会で意見を述べることもできます。
根拠条文:区分所有法6条3項、44条
区分所有権を買い受けた人などが典型です。規約や集会決議の効力が及ぶほか、一定の管理費等債権については前所有者の滞納分も請求を受け得ます。
根拠条文:区分所有法8条、46条
区分所有法には明確な定義規定はありませんが、一般には相続人などを指します。マンション標準管理規約では、規約や総会決議の効力は包括承継人にも及ぶとされています。
根拠条文:マンション標準管理規約5条、民法896条
管理者は、規約に別段の定めがなければ集会決議で選任・解任されます。区分所有法上の管理者を、マンション標準管理規約では通常「理事長」と呼称しています。最近よく聞く第三者管理者方式とは、区分所有者以外の方(マンション管理士やマンション管理業者)が管理組合の代表を務めることを指します。
根拠条文:区分所有法25条、26条、マンション標準管理規約38条2項
2026年4月に改正施行された区分所有法により、区分所有建物の再生手法が広がりました。建替えのほか、建物更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却、取壊しという選択肢が条文化されています。基本的には絶対多数決で決議されますが、耐震基準を満たしていないなど建物の状況・事情がある場合には、決議要件が緩和される定めもあります。
根拠条文:区分所有法62条、64条の5、64条の6、64条の7、64条の8
法令上の統一的な定義がある言葉ではありません。一般には、建物や設備の老朽化などでマンション再生が迫っているマンション、修繕費の増加、居住者の高齢化、空き住戸の増加などの課題が重なりやすいマンションを指して使われます。
根拠条文:法令上の明確な定義なし(国土交通省の施策・資料上の用語)
区分所有法は、議事は出席した区分所有者とその議決権の過半数で決することを原則としつつ、特別決議や再生決議については別の決議要件を定めています。決議の母数と定足数、規約で別段の定めができるか否かなどを整理して理解することが大切です。区分所有法上の「集会」を、マンション標準管理規約上では「総会」と定めています。
根拠条文:区分所有法39条、17条、31条、62条、64条の5~64条の8
欠席者も母数に入るため、成立のハードルが高い決議方法です。建替えや建物敷地売却など、区分所有権の処分に直結する再生決議では、2026年4月に改正施行された区分所有法でも総数ベースの絶対多数決が用いられます。(例:区分所有者総数100名・議決権総数100個のマンションで5分の4以上の建替決議の承認を得るには、80名・80個の賛成が必要。)この要件は厳しいため、行方の分からない区分所有者がいる管理組合では、所在等不明区分所有者の除外手続きを取ることで決議の母数を減らせるようになりました。
根拠条文:区分所有法62条、64条の6、64条の7、64条の8
2026年4月に改正施行された区分所有法では、規約変更や共用部分の変更など一定の特別決議も、定足数を満たしたうえで出席者を母数とする仕組みに改められました。無関心層の影響を受けにくくする考え方です。共用部分の変更、管理規約の変更、管理組合法人化など、区分所有権の処分を伴わない特別決議事項が出席者多数決に改められています。(例:総数100名・100個のマンションで総会に60名・60個が参加、この状態で4分の3以上の規約改正の承認を得るには45名・45個の賛成が必要。改正前は絶対多数決のため、母数100名・100個に対して75名・75個の賛成が必要でした。)
根拠条文:区分所有法17条、31条、39条
原則として、各専有部分の床面積割合で決まります。もっとも、規約で別段の定めを置くこともでき、管理費等の負担割合や議決権割合と関係する重要な考え方です。
根拠条文:区分所有法11条、14条、15条
マンション特有の管理・決議については、区分所有法が優先します。区分所有法に特別な定めがない部分は民法が適用されるため、両者をセットで理解することが大切です。
根拠条文:区分所有法21条、28条、29条、民法一般原則
一人ひとりの好き嫌いではなく、建物の保存、安全、衛生、平穏、適正な使用など、区分所有者全体に共通する利益を指します。具体的な中身は、規約や実際の管理状況を踏まえて判断されます。
根拠条文:区分所有法6条1項、57条
「建物の保存に有害な行為」「その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」がこれに当たります。具体的には、騒音、危険物の持込み、無断改造、違法用途使用、管理費等の滞納に伴う管理阻害など、マンション全体の利益を害する行為が典型です。行為の程度によっては、差止めや使用禁止、競売請求などにより解決を図ることが必要になります。
根拠条文:区分所有法6条1項、57条~60条
区分所有の成立には、物理的・構造的に他の部分と区分されていることが必要です。完全に独立した一戸建て並みの区切りまでは不要ですが、客観的に別個の部分として把握できる必要があります。
根拠条文:区分所有法1条(判例・通説上の解釈)
区分所有の成立には、構造上の独立性だけでなく、用途上も独立して利用できることが必要です。専用の出入口や独立した使用機能があるかなどが判断のポイントになります。
根拠条文:区分所有法1条(判例・通説上の解釈)
建物が実際に建っている土地は法定敷地、庭・通路・駐車場・附属の建物の敷地など、建物またはその底地と一体的に管理・使用する関係にある土地を規約で敷地としたものは規約敷地、2筆の土地にまたがって法定敷地として存在していた建物が、一部滅失や分割により存在しなくなった敷地をなお敷地とみなすものは、みなし規約敷地と理解されます。
根拠条文:区分所有法2条5項、5条1項、5条2項
法律用語としては「共同の利益に反する行為」が正式ですが、実務では「共同利益背反行為」と表現されることがあります。意味するところは、マンション全体の利益に背く行為です。
根拠条文:区分所有法6条1項、57条~60条
民法上の一般制度で、所有者が分からない建物や、所有者は分かっていても管理が不十分な建物について、利害関係人の申立てにより裁判所が管理人を選任することができます。マンションでも周辺建物問題や区分所有法の特則とあわせて理解が必要です。
根拠条文:民法264条の8、264条の9、区分所有法87条、88条
区分所有者が国内に住所・居所を有しない場合、国内管理人を選任できます。マンション標準管理規約でも、国内管理人を選定した場合に届出を提出することを定めた条文が公表されています。海外居住の区分所有者とは連絡が取りづらかったり意思疎通が難しかったりしますが、国内管理人を置くことでこれらを解消しようとする制度です。不動産業者などが国内管理人になることが想定され、保存行為、一定の改良行為、集会通知の受領、議決権行使、他の組合員に対して負う債務の弁済などの権限が与えられています。
根拠条文:区分所有法6条の2、マンション標準管理規約31条の3
区分所有者が他の区分所有者に対して有する管理費等の債権について、債務者の区分所有権や敷地利用権などの上に先取特権が認められます。管理組合の債権の回収手段として重要な権利です。
根拠条文:区分所有法7条
通常、共用部分は区分所有者の共有ですが、規約に特別の定めがあるときは、管理者が共用部分を所有することができます。実務ではあまり一般的ではありませんが、法はこの形も認めています。
根拠条文:区分所有法20条、27条
マンションでは、専有部分の所有と敷地利用権が一体となって流通すること(共用部分の共有持分は、その共有者の所有する専有部分の処分に従う)が前提です。個別に処分して敷地利用権を伴わない専有部分を生じさせることは好ましくないと考えられるためです。そのため、敷地利用権だけを売却して専有部分は残すなどの分離処分は、原則としてできません。
根拠条文:区分所有法22条、23条
規約の設定・変更・廃止や共用部分の変更が、特定の人の権利や使用に特別の影響を及ぼすときは、その人の承諾を得る必要があります。多数決だけで一部の人に過大な犠牲を強いないための仕組みです。共用部分の変更で特定の住戸の採光・眺望・通風が大きく悪化する場合や、規約改正で特定の住戸に大きな負担増を強いる場合などに、特別の影響を受けるとされます。
根拠条文:区分所有法17条2項、31条1項、マンション標準管理規約47条9項・10項
通知期間や通知方法などの通常の招集手続は、区分所有者全員の同意がある場合には省略できます。小規模マンションでは使いやすい制度ですが、全員の同意が必要です。なお、集会の方法を採る場合(書面決議や電子的方法による決議は全員の承認)でも、通常の集会の決議要件と変わりはありません。
根拠条文:区分所有法36条
絶対多数決で決議される議案において、所在が分からない人をいつまでも母数に含めると、必要な決議ができなくなるおそれがあります。そこで、裁判所の関与のもとで、一定の場合に所在等不明区分所有者を決議から除外できる制度です。2026年4月施行の改正で集会の多くの決議が出席者多数決になりましたが、区分所有権の処分などを伴うマンション再生に関する決議などは引き続き絶対多数決のため、今後この制度を利用する場面は増えてくるものと思われます。
根拠条文:区分所有法38条の2、86条
賃借人などの占有者は、区分所有者の承諾を得て専有部分を占有している場合、会議の目的事項につき利害関係があれば、集会に出席して意見を述べることができます。ただし、議決権は認められていません。占有者に総会の議題内容を伝えるための配慮も必要になります。
根拠条文:区分所有法44条
実際に会議を開かなくても、区分所有者全員の承諾があれば、書面または電磁的方法で決議できます。迅速な意思決定に役立ちますが、全員の承諾が前提です。
根拠条文:区分所有法45条
マンションのルールは、その時点の所有者だけに通用するものではありません。特定承継人にも効力が及び、マンション標準管理規約では包括承継人や占有者にも義務が及ぶよう整理されています。占有者には、一般に建物などの使用に関して規約や集会の決議の効力が及ぶことになります。
根拠条文:区分所有法46条、マンション標準管理規約5条
区分所有者の団体は、集会の特別決議と登記により法人化できます。法人化すると、契約や訴訟、財産管理を管理組合法人名義で行いやすくなるメリットがあります。また、名称に「管理組合法人」という文字を用いる必要があります。
根拠条文:区分所有法47条~56条の7
法人化すると、管理組合が権利義務の主体として明確になります。共用部分や口座管理、工事契約、訴訟対応、相続人探索が必要な場面などで、実務上の安定性が高まります。法人化していない管理組合で隣地の土地などを購入する場合、区分所有者全員の名前で登記する必要があり、手続き上も費用上も現実的ではないため、このような場面で管理組合が法人化される事例が多い印象です。
根拠条文:区分所有法47条、49条、52条、53条
区分所有法には強行規定と任意規定があり、任意規定は規約で別のルールを定められます(例:共用部分の持分割合や管理方法など)。ただし、法律に反する内容は定められません。2026年4月施行の改正区分所有法では、集会の通知期間が「会日より少なくとも1週間前」と定められ、さらに改正前は「伸長又は短縮」が許容されていたこの通知期間が「伸長」のみに改められました。つまり、現行規約に「緊急を要する場合には理事会の承認を得て、5日間を下らない範囲で通知期間を短縮できる」と定めがあっても、強行規定に抵触するため無効となります(通知期間として1週間の確保が必要です)。
根拠条文:区分所有法11条2項、14条4項、18条4項、30条
区分所有法は、まず停止・除去・予防の請求を認め、それでも解消しないときは使用禁止、さらに重い場合には競売請求、占有者には引渡請求までを準備しています。段階的に是正を図る制度で、それぞれの措置を講じるには出席者多数決による集会の決議が必要です。
根拠条文:区分所有法57条~60条
違反行為そのものをやめさせるだけでなく、結果の除去や予防措置も求められます。義務違反者対策の第一段階として位置づけられる条文です。
根拠条文:区分所有法57条
57条の措置だけでは足りない場合、58条で使用禁止、59条で区分所有権等の競売、60条で占有者に対する引渡し請求が可能です。いずれも重い措置であり、出席者多数決による集会決議や裁判手続が重要になります。義務違反者を区分所有関係から排除することに関する裁判となります。
根拠条文:区分所有法58条、59条、60条
正式名称は「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」です。大規模な火災・震災等で滅失や大規模一部滅失が起きたマンションについて、再建や敷地売却の特例を定めています。
根拠条文:被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法1条、2条、3条以下
一般に「マンション再生法」と呼ばれるのは、正式には「マンションの再生等の円滑化に関する法律」です。建替え、建物更新、敷地売却等の事業手続や権利変換を定めています。絶対多数決により決議されますが、一定の事情がある場合には決議要件の緩和なども定められています。
根拠条文:マンションの再生等の円滑化に関する法律1条ほか
長期修繕計画、修繕積立金、総会運営、管理規約などが一定基準を満たしているかをチェックし、適正な管理を「見える化」する制度です。「適切なマンション管理計画を持つマンション」として公表される、税制や金利の優遇を受けられるなど、認定を受けるマンションの資産価値や管理改善の後押しとして使われます。
根拠条文:マンション管理適正化法5条の3~5条の12
正式名称は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」です。管理業者の登録制度、管理業務主任者の設置義務、管理組合と管理業者の財産の分別管理、管理組合財産の管理方法など、管理会社宛の各種の規制を設けたほか、マンション管理士制度、管理計画認定制度などを定め、管理組合の適正な運営を支えています。
根拠条文:マンション管理適正化法1条、2条、3条、4条
登録を受け、マンション管理の専門知識を用いて管理組合や区分所有者からの相談に応じ、運営や管理について助言・指導・援助を行う国家資格者です。管理会社とは立場が異なり、管理組合側の立場でサポートする役割を担います。
根拠条文:マンション管理適正化法2条5号、30条
管理会社が管理組合との契約に基づいて、会計、出納、点検、修繕調整などの管理事務を行う事業をいい、管理業の登録が必要です。
根拠条文:マンション管理適正化法2条7号、44条
管理業務主任者証の交付を受けた者で、重要事項の説明、契約成立時書面への記名、管理事務報告など、管理会社の業務の中核を担います。
根拠条文:マンション管理適正化法2条9号、56条、60条、72条、77条
マンション管理適正化法では、管理事務とは基幹事務を含む管理に関する事務をいいます。総会運営支援、会計、点検、修繕調整など、委託内容の全体を表す基礎用語です。
根拠条文:マンション管理適正化法2条6号
具体的には、管理組合会計の収入・支出の調定及び出納、そして専有部分を除くマンションの維持または修繕に関する企画・実施の調整をいいます。この基幹事務を一括して再委託すると管理責任の所在が不明確になるため、基幹事務の一括再委託は禁止されています。
根拠条文:マンション管理適正化法2条6号
契約条件、管理事務の内容、委託費用、再委託、財産管理の方法など、管理組合にとって重要な事項を契約前に説明する制度です。契約前に内容を見える化し、トラブルを防ぎます。管理会社が行うべき義務です。
根拠条文:マンション管理適正化法72条
マンション管理業者は、定期に、管理者等に対し、管理業務主任者をして管理事務に関する報告をさせなければなりません。委託した業務の「見える化」を担う大切な制度です。
根拠条文:マンション管理適正化法77条
管理会社は、前月における管理組合会計の収入・支出の状況に関する書面を作成し、翌月末日までに管理者等へ交付することが求められます。
根拠条文:マンション管理適正化法77条、同施行規則87条5項
管理会社は、管理組合から受託した基幹事務について、一括して他人に委託してはなりません。管理責任の所在を不明確にしないための規制です。
根拠条文:マンション管理適正化法74条
指定法人は、管理会社が受領した管理費、修繕積立金等について返還債務を負う場合の保証業務を行うことができます。管理組合財産の保全を補強する制度として理解すると分かりやすいです。
根拠条文:マンション管理適正化法95条3号
修繕積立金などの重要な財産が混同されると、管理業者による流用や管理業者の破綻時の回収困難、管理組合財産の毀損につながります。そのため、法は分別管理を義務付け、管理組合財産の安全性を確保しています。
根拠条文:マンション管理適正化法76条
新築分譲マンションでは、将来の修繕や維持管理に不可欠な図面・仕様書等が管理組合へ適切に引き継がれることが重要です。これを義務づけるのが設計図書交付の制度です。
根拠条文:マンション管理適正化法103条、同施行規則102条
区分所有法の枠内で、各マンションの実情に応じて決めるルールです。専有部分の用途、管理費等、役員、総会手続など、共同生活の基本ルールを定めます。
根拠条文:区分所有法30条、31条、33条
区分所有法は守らなければならない法律です。これに対しマンション標準管理規約は、各マンションが管理規約を作るときのモデルであり、実際の効力は各マンションで定めた管理規約から生じます。平均的な定めがされているため、各マンションの戸数・規模・これまでの慣習などを踏まえて、マンションごとの管理規約を制定する必要があります。
根拠条文:区分所有法30条、31条、マンション標準管理規約全般関係コメント
法令そのものではありませんが、各マンションが規約を作成・改正する際の出発点となるひな型です。単棟型、団地型、複合用途型があり、マンションごとの管理規約を検討するうえでは、コメント内容も重要な解説資料になります。
根拠条文:マンション標準管理規約全般関係コメント
マンション標準管理規約では、区分所有法3条に基づく団体として、区分所有者全員をもって管理組合を構成すると定めています。日常の管理運営の中心になる主体です。
根拠条文:マンション標準管理規約6条、区分所有法3条
マンション標準管理規約では、住戸番号を付した住戸を専有部分とし、天井・床・壁は躯体を除く部分、玄関扉は錠と内部塗装部分を専有部分としています。インターホンの室内子機や消防設備も役割や位置関係で区分されます。火災感知器→インターホン→管理室の警報盤の順で経由し、警備会社に警報が移報する設備の場合には、専有部分内にある火災感知器やインターホンであっても共用部分の設備として区分して管理されます。
根拠条文:マンション標準管理規約7条
マンション標準管理規約では、躯体部分、窓枠、窓ガラスなどは原則として共用部分側に整理されます。リフォームや修繕の負担区分を考える前提になる重要な整理です。窓枠・窓ガラスなどの修繕計画にあたっては、マンションごとに定められている負担区分を長期修繕計画にも反映させる必要があります。
根拠条文:マンション標準管理規約7条2項
マンション標準管理規約では、別表でエントランス、廊下、階段、エレベーター、屋上、基礎、配管幹線、管理事務室などを整理します。どこまでが管理組合管理かを明確にする役割があります。一般的には法定共用部分、規約共用部分、建物の附属施設、附属の建物などが共用部分となります。
根拠条文:マンション標準管理規約8条、別表第2
マンション標準管理規約では、専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならないとしています。事務所使用や営業利用の可否を考える入口です。
根拠条文:マンション標準管理規約12条
マンション標準管理規約コメントでは、居住者の生活の本拠があるかどうかで判断すると整理されています。単に寝泊まりできればよいのではなく、生活の本拠にふさわしい平穏性が求められます。ここでいう平穏性とは、不特定多数の往来があるか否かや、他の居住者に迷惑が掛かっているか否かなどで判断されます。
根拠条文:マンション標準管理規約12条関係コメント
床材変更、配管移設、間取り変更など、共用部分や他の専有部分に影響するおそれがある工事は、設計図・仕様書・工程表を添えて理事長に申請し、理事会の承認を受けるのが原則です。最近では、理事会が建築士などに申請内容のチェックを依頼する事例も増えています。
根拠条文:マンション標準管理規約17条
バルコニー、専用庭、窓枠、玄関扉などが典型です。所有権は共用部分にありながら、日常利用の便宜のために特定の人へ排他的な使用が認められています。
根拠条文:マンション標準管理規約2条8号、14条
ペット、駐車場、楽器、ゴミ出し、掲示板、届出事項など、より具体的な運用ルールを定めます。規約本体を補う存在で、建物使用細則、駐車場使用細則、駐輪場使用細則などが挙げられ、マンション標準管理規約の定めによると、総会の普通決議により制定と改廃が可能です。
根拠条文:マンション標準管理規約18条、70条
マンション標準管理規約では、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、管理費と修繕積立金を「管理費等」として区分所有者が納入するとしています。
根拠条文:マンション標準管理規約25条
管理費は通常の管理に、修繕積立金は計画修繕や特別な管理に、専用使用料は専用庭や駐車場などの使用対価にあたります。性質が異なるため、会計処理や使途の考え方も異なります。
根拠条文:マンション標準管理規約14条2項、15条2項、27条、28条、29条
管理組合は区分所有者全員が当然に加入する団体であるのに対し、自治会・町内会は任意加入の地縁団体です。そのため、自治会費を管理費と混同したり、自治会加入を当然視したりしないような注意が必要とされています。
根拠条文:マンション標準管理規約27条関係コメント③
マンション管理士、弁護士、司法書士、建築士、税理士などに相談し、助言・指導その他の援助を受けることをいいます。法改正対応、滞納問題、大規模修繕、規約改正などで特に有効です。
根拠条文:マンション標準管理規約34条
役員の担い手不足などを背景に増えている方式ですが、管理者を務める管理会社が修繕を受託する際の利益相反や監督の在り方に注意が必要です。今回改正されたマンション標準管理規約の本文では、この管理方式を前提とはしていません。
根拠条文:マンション標準管理規約全般関係コメント③
原則は理事本人が理事会に出席すべきです。マンション標準管理規約のコメントでは、理事の負担軽減のため、規約で職務代行者の範囲や手続を定めたうえで代理出席を認める考え方が示されています。
根拠条文:マンション標準管理規約53条関係コメント②
役員は管理組合のために忠実に行動しなければなりません。役員本人や第三者のために管理組合と取引をする場合などは、理事会にて重要事実を開示し承認を受ける必要があります。
根拠条文:マンション標準管理規約37条、37条の2
理事長は、毎年1回の通常総会を、新しい会計年度が始まってから2か月以内に招集しなければならないとされています。
根拠条文:マンション標準管理規約42条3項
マンション標準管理規約では、規約・細則の制定改廃、役員の選任解任、収支決算と事業報告、収支予算と事業計画、長期修繕計画、管理費等の額の変更などを総会決議事項としています。
根拠条文:マンション標準管理規約48条
マンション標準管理規約では、総会はWEB会議等を含め、議決権総数の過半数を有する組合員が出席しなければ成立しません。これを総会の定足数と呼びます。ただし、2026年4月施行の改正区分所有法では「規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者及び議決権の各過半数で決する」と定められています。規約に別段の定め(定足数の定め)がない場合、総数100名・100個のマンションで10名・10個の参加だと、たった6名・6個の賛成で議案が成立し得ます。これを防ぐ意味でも、規約の別段の定めとして総会の定足数を設けることで、より適正な合意形成にしようとの意図がうかがえます。
根拠条文:マンション標準管理規約47条1項、3項
マンション標準管理規約では、通常は少なくとも会議の2週間前(区分所有法上は1週間前)までに通知が必要と定めています。ただし緊急を要する場合には、理事会の承認を得て、1週間を下回らない範囲で短縮できます。現行規約に「5日間を下回らない範囲で短縮できる」旨の定めがある場合、区分所有法の定めに抵触するため、この定めは無効となります。
根拠条文:マンション標準管理規約43条1項、8項
理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括します。マンション標準管理規約では、区分所有法上の管理者でもあると明記されており、報告義務や対外的な代表権を持ちます。
根拠条文:マンション標準管理規約38条1項・2項
大規模修繕、規約改正、防災、コミュニティ形成など、特定テーマについて調査検討させるため、理事会は専門委員会を設置できます。委員会は決定機関ではなく、理事会に具申する立場です。
根拠条文:マンション標準管理規約55条
管理組合は性格の異なる複数のお金を徴収しています。管理費は日常管理、修繕積立金は計画修繕や特別な管理のための資金です。使いみちが違うため、区分経理することで、将来必要な修繕資金が日常費用に流れるのを防ぎます。
根拠条文:マンション標準管理規約28条4項、28条関係コメント①
管理費等の滞納があると、管理組合は未払金のほか、遅延損害金、督促・徴収費用、弁護士費用等を請求できます。理事会決議により支払督促、訴訟、強制執行などの法的措置へ進むこともあります。
根拠条文:マンション標準管理規約60条、区分所有法7条、8条
調停は裁判所での話合いによる解決、少額訴訟は60万円以下の金銭請求を原則1回で審理する簡易手続、通常訴訟は証拠調べを含めた一般的な裁判です。滞納額や争いの内容で使い分けます。
根拠条文:民事調停法、民事訴訟法368条以下
管理費等は継続的な金銭債権であり、改正民法のもとでは原則5年で時効にかかると整理するのが一般的です。もっとも、個別事情や請求内容により確認が必要です。
根拠条文:民法166条1項
訴訟提起、支払督促、強制執行、仮差押え、債務承認などが代表例です。内容証明郵便だけでは限定的なので、早めに法的措置へつなげることが重要です。
根拠条文:民法147条、150条、152条、民事訴訟法
管理費等を期限までに払わない組合員に対して、規約に定めた年利に基づき請求する金銭です。単なるペナルティではなく、支払遅延によって生じる損害の填補という意味があります。
根拠条文:マンション標準管理規約60条2項、民法419条
いつ、どの部分を、どの程度修繕し、どれくらい費用がかかるかを見通して、修繕積立金の水準を考える基礎資料です。理事長が保管し、組合員等の請求に応じて閲覧させる対象にもなります。
根拠条文:マンション標準管理規約32条3号、64条2項
マンション標準管理規約では、区分所有者全員が署名した規約を1通作成し、これを規約原本とするとしています。理事長が保管し、区分所有者や利害関係人の請求があれば閲覧に応じます。
根拠条文:マンション標準管理規約72条
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※ 本用語集は一般向けの説明資料です。根拠条文は理解の入口としての主な条文を示しています。個別の紛争・規約改正・滞納対応・再生決議等については、各マンションの管理規約、総会決議、登記、最新の法令・判例、専門家の助言をあわせてご確認ください。区分所有法の決議要件等は、令和7年改正・令和8年4月1日施行の内容を前提に整理しています。
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